結論
取引先名で検索しても過去の取引が一部しか出てこないのは、入力する人の注意不足ではなく、書き方の決まりが一つもないからです。よく取引する十社ほどの正式名と略称を一枚の表に並べ、品番のハイフンや大文字小文字の書き方を一通りに決め、見積・受注・請求はその表から選んで入力する形が起点です。
まず結論:表記を一件ずつ直すのではなく、書き方の決まりを一つ作る
取引先の名前で検索しても、過去の取引が一部しか出てこない。そう感じたことのある経営者さまは、少なくないと思います。結論から言えば、原因は入力する方の注意不足ではなく、書き方の決まりが一つもないことにあります。
ここでは従業員20名ほどの町工場を例に考えます。実在の企業の事例ではありません。
いま何が起きているか
同じ取引先が、見積書では「A製作所株式会社」と書かれています。受注の一覧では「A製作所」、請求書では「(株)A製作」です。品番も、図面は「B-100」、現場の伝票は「B100」と、人によって違います。
そのため、過去の取引を検索しても、一部しか出てきません。結局、書いた本人に聞くことになります。聞かれる側の手も止まります。集計では、同じ取引先が別々の行に分かれてしまいます。
どう考え、どう動くか
表記を一件ずつ直すのではなく、書き方の決まりを一つ作る。これが見直しの軸です。進め方の一例です。
- よく取引する十社ほどを選び、正式名と略称を一枚の表に並べる
- 品番は、ハイフンの有無や大文字小文字の書き方を一通りに決める
- 新しい取引先や品番は、その表に先に追加してから使う
- 見積・受注・請求は、表から選んで入力する
- 月に一度、表にない書き方が使われていないかを確認する
最初は表計算ソフトで十分です。表づくりは数日、月に一度の確認は三十分前後で収まることが想定されます。
VELAの立場
VELAは帆として、経営者さまの風を受けて進みます。表記のばらつきは、誰かの不注意ではありません。書き方の決まりがないまま、会社が育ってきた証です。私たちは、どこで呼び名が分かれているかを一緒に見つけます。そして、過去の取引をすぐ探せて、ベテランに聞かなくても進められる状態へ、航路を共に渡ります。道具を選ぶのは、その後です。
よくある質問
書き方の決まりは、全部の取引先に必要ですか?
最初は、よく取引する十社ほどで十分です。範囲を広げるほど、表が更新されなくなります。
過去のデータの書き方も直す必要がありますか?
全部を直す必要はありません。まず今後の入力を揃え、過去分は探すときに必要な範囲だけ直します。
専用のシステムは、いつ検討すればよいですか?
書き方の決まりが現場で回り始めてからです。決まりのないまま入れても、同じばらつきが移るだけです。
