結論
先月の粗利が翌月中旬まで分からないのは、事務担当の作業が遅いからではなく、出荷伝票・仕入れの請求書・日報の工数が別々の場所に集まり、月末にまとめて転記しているからです。日々の入力先を一つにし、見る数字を粗利だけに絞れば、月初の数日で粗利を確認できる状態を目指せます。
まず結論:月末にまとめて集めるのをやめ、日々の入力先を一つにする
先月の粗利が分からないまま、今月の受注や投資を決めている。そんな感覚をお持ちの経営者さまは、少なくないと思います。結論から言えば、原因は事務担当の方の作業の遅さではなく、数字の集め場所が分かれていることにあります。
ここでは従業員20名ほどの町工場を例に考えます。実在の企業の事例ではありません。
いま何が起きているか
月が終わると、事務担当の方が出荷伝票、仕入れの請求書、日報の工数を集めはじめます。それぞれ紙と表計算ソフトに分かれており、一つの表へ転記して損益を出します。
完成するのは、翌月の中旬ごろになることも想定されます。その間、社長は先月の粗利が分からないまま、受注の可否や設備投資を判断することになります。数字が出たときには、手を打つ時期を過ぎていることもあります。
どう考え、どう動くか
月末にまとめて集めるのをやめ、日々の入力先を一つにする。これが見直しの軸です。進め方の一例です。
- 出荷の記録は、出荷した日に一つの一覧へ入力する
- 仕入れの請求書は、届いた日に同じ一覧へ追加する
- 日報の工数は、案件ごとの合計だけを週に一度足す
- 見る数字は、売上から材料費と外注費を引いた粗利に絞る
- 月初に社長と事務担当の方で、粗利の一覧を一緒に見る
最初は表計算ソフトで十分です。一覧の整備は数日、月初の確認は十数分から三十分規模で収まることが想定されます。
VELAの立場
VELAは帆として、経営者さまの風を受けて進みます。月次の遅れは、誰かの怠慢ではなく、数字の通り道が決まっていないことから生まれます。私たちは、その通り道がどこで分かれているかを一緒に見つけます。そして、先月の姿を見て今月を決められる状態へ、航路を共に渡ります。道具の導入が先ではなく、まず数字の流れを見ることから始めます。
よくある質問
月次の損益は、どこまで細かく出す必要がありますか?
最初は粗利だけで十分です。細かくするほど集計が遅れ、見るのが月末頼みに戻ります。
表計算ソフトの一覧でも効果はありますか?
最初の一歩としては十分です。入力先が一つになるだけでも、転記の手間と食い違いは減ることが想定されます。
AIや専用ツールはいつ検討すればよいですか?
一覧の運用が回り始めてからです。伝票の読み取りなどは、流れが決まった後のほうが無駄なく入ります。
