特急や値引きの判断が社長の返事待ちで止まるのは、多忙のせいではなく、受けてよい条件と断る条件が社長の頭の中にしかないからです。直近の案件を振り返って了承した条件と断った条件を書き出し、「この条件なら先に回答してよい」という線を引けば、線の内側は営業が答え、外側だけ社長に確認する形にできます。
まず結論:判断を急ぐのではなく、判断の基準を言葉にして置いておく
特急の依頼が届いても、社長の返事がなければ動けない。そんな日が続くと、営業も現場も落ち着かず、社長ご自身も外出先で電話に追われます。返事を待つあいだ、営業は次の手を打てません。結論から言えば、判断を急ぐことではなく、判断の基準を言葉にして置いておくことが出発点です。
ここでは従業員20名ほどの町工場を例に考えます。実在の企業の事例ではありません。
いま何が起きているか
「特急で受けられますか」「この値引きは通りますか」。製造業の中小企業では、こうした問いの最終判断が社長に集まりがちです。営業担当が答えを持たないまま、社長の返事を待つ場面が出てきます。
社長が商談や外出で席を外すと、回答は半日から翌日まで止まります。止まる理由は忙しさだけではありません。受けてよい条件と断る条件が、社長の頭の中にしかないからです。基準が見えないので、営業は毎回確認するしかありません。
どう考え、どう動くか
見直しの中心は、判断を速くすることではなく、判断の置き場所を変えることです。
- 直近の特急と値引きの案件を、10件ほど振り返る
- 社長が了承した条件と断った条件を、案件ごとに書き出す
- 共通点を「この条件なら先に回答してよい」という線にまとめる
- 線の内側の案件は、営業が社長に聞かず回答する
- 線の外側の案件だけ、社長に確認する
最初の線は粗くて構いません。使いながら、月に一度見直します。AIは、過去の案件から共通点の下書きを作る場面で使えます。線を決めるのは社長です。
VELAの立場
VELAは、帆として経営者の風を受ける参謀でありたいと考えています。判断を社長から取り上げることはありません。社長が積み重ねてきた判断を一緒に振り返り、社長ご自身の言葉で基準にしていく作業に伴走します。決める責任は社長に残したまま、確認のために立ち止まる回数を減らす航路を、ご一緒に探します。まずお話を伺うところから始めます。
