結論
過去の加工実績が探せず毎回ベテランに聞くことになるのは、記録がないからではなく、図面の余白やノート、記憶に分かれていて探す入口がないからです。直近一年分に絞り、型番・材質・加工条件・時間・注意点の五項目を一行で残し、型番と材質で引ける一覧を一つ作ることから始められます。
まず結論:記録を増やすことより、探す入口を一つにする
新しい引き合いのたびに、似た品物を以前作ったはずだと思い出す。けれど、加工条件の置き場所が分からない。そんな場面は、町工場では珍しくありません。結論から言えば、記録を増やすことより、探す入口を一つにすることが先です。
ここでは従業員20名ほどの金属加工の町工場を例に考えます。実在の企業の事例ではありません。
いま何が起きているか
新しい引き合いが来ると、似た品物を以前作ったはずだと誰かが思い出します。ところが、そのときの加工条件や段取り、かかった時間は、図面の余白、作業者のノート、ベテランの記憶に分かれています。
結局、ベテランに聞くのが一番早い、という状態になります。聞かれる側は手が止まり、聞く側は自分で調べる機会を失います。記録がないのではなく、探す入口がないことが原因です。
どう考え、どう動くか
最初から全部を整理する必要はありません。次の流れで、小さく始められます。
- 直近一年分に絞り、案件を一行一件で書き出す
- 一行に残すのは、型番・材質・加工条件・かかった時間・注意点の五つだけにする
- 記入は、案件が終わった当日に、担当者が一分で行う
- 探すときは、型番と材質の二つで引けるようにする
- 月に一度、使われなかった項目を見直して減らす
大切なのは、項目を増やさないことです。入力の手間が増えると、続かなくなります。
VELAの立場
VELAは、帆として経営者の風を受け、地点Bまで共に渡る伴走役です。ここでの地点Bは、新しい引き合いに、過去の実績をその場で見て答えられる工場です。どの項目を残し、誰がいつ書くかは、工場ごとに違います。仕組みを入れること自体が目的ではありません。まず現状の風向きを、一緒に整理するところから始められます。
よくある質問
過去の加工実績を残すには、何から始めればよいですか?
直近一年分に絞り、型番・材質・加工条件・時間・注意点の五項目だけを一行で残す方法が、始めやすいです。
ベテランの頭の中にある条件は、どう引き出せばよいですか?
案件が終わった当日に、ベテランが話した内容を担当者が一行で書き留める形が現実的です。まとめて聞き出そうとすると負担が大きくなります。
実績の記録は、紙とパソコンのどちらがよいですか?
探しやすさで決めます。型番と材質で引ける形なら、紙でも表計算でも構いません。工場の使い方に合わせて選びます。
